
キャッシュレス決済が広まり始めた頃、多くの飲食店が「導入するべきか」を考えていました。
自家製麺キリンジもその一つです。
お客様の利便性を考え、時代の流れに合わせてキャッシュレス決済を導入しました。しかし、実際に営業を続ける中で見えてきたことがあり、最終的には2020年にキャッシュレス決済を終了しています。
この記事では、「導入したからこそ分かったこと」「やめたからこそ見えたこと」を、店主の実体験としてまとめます。

キャッシュレスを導入した理由
キャッシュレス決済を導入した最大の理由は、お客様の利便性でした。
財布を持ち歩かなくても支払えること、会計がスムーズになること、ポイント還元を利用できることなど、お客様にとってメリットが多いと感じたからです。
飲食店としても、「現金しか使えません」と言うより、「カードやQR決済も使えます」と言える方が、お客様に安心して利用していただけると考えていました。
当時の導入時の記事はこちらです。
関連記事
「キャッシュレスでわかってきたこと」
https://jikaseimenkirinji.hatenablog.com/entry/2019/10/30/202744
実際に運用して分かったこと
導入前は、「会計が楽になる」と思っていました。
しかし、実際には想像とは違う部分もありました。
売上管理が複雑になる
現金だけなら、一日の売上はレジを締めれば確認できます。
しかしキャッシュレスを導入すると、
- 現金
- クレジットカード
- QRコード決済
- 電子マネー
それぞれの売上を確認する必要があります。
さらに入金日も決済会社ごとに異なるため、「売上」と「実際の入金」が一致しません。
レジ締めの時間は短縮されても、その後の確認作業は確実に増えました。
決済手数料は利益から差し引かれる
キャッシュレス決済では、売上の数%が決済会社へ支払われます。
例えば1,000円のラーメンが売れても、その1,000円がそのままお店に入るわけではありません。
ラーメン店は、
- 小麦
- 肉
- 醤油
- 玉子
- 光熱費
- 人件費
など、多くのコストを抱えています。
その利益からさらに決済手数料が引かれるため、小規模店ほど影響は大きくなります。
入金まで時間がかかる
現金なら、その日の売上はその日の資金になります。
一方、キャッシュレスは後日入金です。
もちろん資金管理をしっかり行えば問題ありません。
しかし、小さな飲食店では、毎日の仕入れや支払いとの兼ね合いもあります。
売上があるのに、まだ使えないお金という状況は、経営者なら誰もが経験することです。
そして2020年、キャッシュレスを終了しました

これらを総合的に考え、自家製麺キリンジでは2020年にキャッシュレス決済を終了しました。
「キャッシュレスは悪い。」
そう考えたわけではありません。
自分の店には合わなかった。
それが一番正確な表現です。
ワンオペ営業の小さなラーメン店では、
- 会計をできるだけシンプルにすること
- 管理業務を減らすこと
- ラーメン作りに集中すること
この方が、お客様にとっても良い結果につながると判断しました。
2020年にキャッシュレス終了時の記事はこちらです。
関連記事
「実はキャッシュレスをやめました」
https://jikaseimenkirinji.hatenablog.com/entry/2020/05/13/202143
現在の考え
キャッシュレス決済は、お客様にとって便利なサービスです。
一方で、お店には決済手数料や管理コストが発生します。
だからといって、「現金が正しい」「キャッシュレスが間違い」という話ではありません。
大切なのは、お店の規模や営業スタイルに合ったもの、大型チェーン店と、私のようなワンオペのラーメン店では、最適な経営判断は同じではありません。背伸びする必要はないと思っています。
時代に合わせることも大切ですが、それ以上に「インフレ時代に自分の店に合っているか」を考えることが、長く営業を続けるためには欠かせないと感じています。
まとめ
キャッシュレス決済を導入し、運用し、そして終了するまでを経験したからこそ、一つ言えることがあります。
便利な仕組みほど、その裏側には見えにくいコストがあります。
だからこそ、導入するかどうかは「みんながやっているから」ではなく、「自分の店にとって本当に必要か」で判断することが大切です。
自家製麺キリンジでは、実際に試した結果として
現金決済の分を安くすることを選択しました。
この経験が、これからキャッシュレス導入を考えている飲食店や、普段何気なくキャッシュレスを利用している方にとって、少しでも参考になれば幸いに思います。
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