



玄麦入荷しました。ラーメンの美味しさを決めるものは何でしょうか。
スープ、チャーシュー、タレ、油。どれも欠かせません。
しかし、そのすべてを受け止める「麺」が美味しくなければ、一杯のラーメンは完成しません。
自家製麺キリンジでは、開業以来ずっと「自家製麺」にこだわってきました。
そして現在は、そのさらに一歩先へ進み、「自家製粉」にも取り組んでいます。
今回は、普段は見ることのできないバックヤードをご紹介しながら、キリンジの麺づくりについてお話しします。
自家製麺だけでは終わらない
最近では「自家製麺」を掲げるラーメン店も珍しくなくなりました。
自家製麺には、
- 自分の理想の食感を作れる
- スープに合わせた麺を作れる
- 加水率や熟成を自由に調整できる
という大きなメリットがあります。
しかし、自家製麺でも使う小麦粉は製粉会社から購入するのが一般的です。
つまり、多くのお店では「粉になった状態」から麺づくりが始まります。
自家製麺キリンジでは、その前の工程までさかのぼります。
玄麦(小麦の実)から、自分たちで粉にする。
そこから麺づくりが始まります。
バックヤードに積まれた玄麦
店の裏には、大きな紙袋に入った玄麦が保管されています。
写真に写っている黄金色の粒が、その玄麦です。
この状態ではまだ小麦粉ではありません。
一粒一粒を製粉し、小麦粉へと生まれ変わらせます。
毎日何気なく食べているラーメンですが、その原料はこのような姿をしています。
使用している玄麦は「ミナミノカオリ」メインはオーション
自家製麺キリンジで使用している主力品種の一つがミナミノカオリです。
ミナミノカオリは九州で多く栽培されている国産小麦で、
- 香りが豊か
- 甘みがあり、若干硬い
- 麺にした時の風味が良い
という特徴があります。
スープだけではなく、小麦そのものの香りも楽しめる麺を目指し、この品種を選んでいます。
もちろん、小麦は収穫年や産地によっても状態が変わります。
だからこそ、毎回同じ製法ではなく、その時々の状態を見ながら調整しています。
店の裏で毎日動く製粉機
バックヤードには昔ながらの製粉機が置かれています。
決して最新鋭の大型設備ではありません。
ですが、この機械が毎日コツコツと玄麦を粉へ変えてくれます。
製粉機を動かすと、店の中には小麦の香ばしい香りが広がります。
市販の小麦粉を開封した時とは少し違う、挽きたてならではの自然な香りです。
この香りを感じるたびに、
「やっぱり自分で挽く価値はある」
そう思います。
製粉は思っている以上に手間がかかる
正直に言えば、自家製粉は効率だけを考えれば決して楽ではありません。
- 玄麦の保管
- 製粉
- 粉の管理
- 製粉機の清掃
- メンテナンス
やることはたくさんあります。
時間だけを考えれば、市販の小麦粉を購入した方がずっと簡単です。
それでも続けている理由は一つ。
どこにもない麺を作りたいから。
ラーメンは毎日食べるものだからこそ、小さな違いの積み重ねが大切だと考えています。
研究は今も続いています
バックヤードには、ミナミノカオリ以外にもさまざまな原料があります。
ライ麦粉などを試したこともありますし、新しい配合を考えるために少量だけ仕入れて試験製粉することもあります。
すぐに商品になるわけではありません。
何度も試作し、
「これは違う」
「もう少しこうしたい」
そんな繰り返しです。
表からは見えない場所で、小さな実験を積み重ねています。
ラーメンは「見えない仕事」の積み重ね
お客様が目にするのは、一杯のラーメンです。
ですが、その裏では、
- 小麦を選ぶ
- 製粉する
- 粉を寝かせる
- 製麺する
- 熟成させる
という工程があります。
どれも派手ではありません。
SNS映えする作業でもありません。
それでも、この積み重ねが一杯のラーメンの味を支えていると考えています。
おわりに
自家製麺キリンジでは、「自家製麺」という言葉だけでは伝わらない部分にもこだわっています。
玄麦から製粉し、自分たちの手で粉を作り、その粉で麺を打つ。
効率だけを考えれば遠回りかもしれません。
ですが、その遠回りが、小麦本来の風味や食感につながると信じています。
もしご来店の際は、スープだけではなく、ぜひ麺そのものにも意識を向けてみてください。
一杯のラーメンの中に、小麦を選び、挽き、打つまでの時間が詰まっています。


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